プレス成形シミュレーション
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事例

1.成形条件の検討・不具合対策検討

初期案ではシワとワレが発生しました。何回かの案を修正しシミュレーションを実施した結果が、対策案です。
ブランク形状を変えて、流れ易くしてワレを回避、ダイフェイスを変えてシワ発生を抑えています。

2.工程設定検討

考案した工程にて成形が可能か解析を実施し検討を行います。

① 初回検討

初期案ではシワ重なりとワレが出てしまいました。

②絞りビードの検討

シワをなくすために線ビードを設定した結果、シワはなくなりましたがワレは残ったままです。

③工程分割

工程を分ける必要があるので、製品形状の上部のみを1工程で行う案でシミュレーションをしましたが、ワレが発生することが確認できたので、オーバードローで1工程目成形し、2工程目で正規型で押すことで成形可能なことが確認できました。

3.スプリングバックの検討

①ビードの有無によってもスプリングバック量は変化します。
②材料の違いによってスプリングバックは違いますが、このようにシミュレーションで確認することができます。
③テーラードブランクの結果です。実験と計算で比較するとこのようになります。青が型、緑がスプリングバック後、赤が緑からトリムをした後の形状です。 最終形状では青と赤の差が出ることになり、定量的にも良い一致が得られていると考えています。

高張力鋼板の吉田-上森モデルによる解析事例

高張力鋼板の成形では、金属材料に繰り返し応力-ひずみ挙動 (バウシンガー効果、繰り返し硬化など)を表現する弾塑性材料モデル(構成式)が必要となる場合があります。
ここでは 吉田-上森(以下YUと記す)モデルを用いた解析事例をご紹介します。

YUモデルにおける応力ひずみ曲線の概念図

YUモデルにおける応力ひずみ曲線の概念図

Aは通常の等方硬化モデルで解析した結果(Swiftモデル)、BはYUモデルで解析した結果を示します。

フロントメンバー部品(980MPa材)スプリングバック量

フロントメンバー部品(980MPa材)スプリングバック量

A、Bは590MPa材、C、Dは780MPa材に対応する解析結果です。
Aは等方硬化モデルで解析した結果、BはYUモデルで解析した結果を示します。
Cは等方硬化モデルで解析した結果、DはYUモデルで解析した結果を示します。

シート部品(590MPa材、780MPa材)スプリングバック量

シート部品(590MPa材、780MPa材)スプリングバック量

以上から、上記の高張力鋼板を用いたシート部品形状においては、YUモデルを用いて繰り返し応力-ひずみ挙動効果を考慮したほうが、スプリングバック量が小さくなることがわかります。(440Mpaでは挙動の差は見られません)

実製品との比較

下図に示す部品に対し、4種類の高張力鋼板(440MPa、590MPa、780MPa、980MPa)を用いた成形実験および解析を行い、YUモデルの効果について検討しました。

解析結果(YUモデルと等方硬化モデル)と実験結果との距離分布(980MPa)

解析結果(YUモデルと等方硬化モデル)と実験結果との距離分布(980MPa)

図には、980MPaの場合の成形実測値と解析の差を示します。(等方硬化モデルとYUモデルの2種類実施)

YUモデルと等方硬化モデルの形状一致率の材料強度依存性

YUモデルと等方硬化モデルの形状一致率の材料強度依存性

ここで、形状一致率は、|解析-実測|≦0.5mmの領域 と定義しました。
この図より対称とした形状では高張力鋼板の強度が増すと、等方硬化モデルでは違いが大きくなり、YUモデルを導入すると実成形品との形状一致率が高くなることがわかります。

1)Yoshida.F,et.al: A model of large-strain cyclic plasticity describing the Bauschinger effect and Work hardening stagnation:Int.J.Plasticity,18(2202),661
2)吉田:異方性金属板材の冷間・温間のおける大ひずみ塑性構成モデルとその成形シミュレーションへの応用: 平成14年度研究開発助成AF-2002015
3)平成18年度戦略的経済産業省基盤技術高度化支援事業「高張力鋼板によるプレス加工法構築支援システムの開発」:日本金属プレス工業協会

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